2009年 04月 29日
ブログを始めました! |
今日は、私の誕生日です。ホームページの方は、何と2年以上も更新していないのに、ちゃんと続けられるかどうか不安ですが、「とにかくやってみよう!」と一念発起し、誕生日を期してブログを始めました。
『チェンバロ・フォルテピアノ』第3刷
私の著書『チェンバロ・フォルテピアノ』(東京書籍)の第3刷が、2月13日付で刊行されました。
前回の第2刷(2006年10月)の時は、300ページにわたって手を入れました。特に、ベートーヴェンの章で、ナネッテ・シュトライヒャーに関する項はほとんど書き直しました。その他の部分でも、スカルラッティとピアノ、バッハとピアノ等、ピアノに関係する項目を中心に、内容がかなり変わりました。詳細は、私のホームページをご覧下さい。
今回は、前回ほど大規模な改訂ではありませんが、バッハの章の「バッハ・チェンバロと呼ばれる楽器」の項はかなり大きな手直しをしました。また、C・P・E・バッハと関係の深かったフリーデリーツィのクラヴィコードに関して、パリの博物館で新しく発見された楽器の写真を2枚入れました。この楽器は、「作者不詳のクラヴィコード」として以前から同博物館に所蔵されていたものですが、楽器を細かく調査したところ、内部から、クリスティアン・ゴットフリート・フリーデリーツィの署名が発見されたのです。
それ以外では、シュタインとヴァルターのフォルテピアノの写真を増やしました。
ドメニコ・スカルラッティが仕えたスペイン王妃マリア・バルバラがチェンバロを演奏している絵もあります。
巻末「参考文献と註」のコーナーにも、かなりの量の加筆・修正があります。
それ以外は、字句や誤字の訂正などのマイナー・チェンジです。
My New Disc
モーツァルト:フォルテピアノ・デュオII
このディスクはリリースされてもう半年も経つので、「New Disc」というのもお恥ずかしい限りですが、今のところ、私の最新CDです。
2005年12月にリリースした「モーツァルト:フォルテピアノ・デュオ」(ALCD-1073)の続編で、共演はやはり前回と同じ、崎川晶子さんです。
今回は、ニュルンベルクのゲルマン国立博物館とコジマ録音の共同制作で、同博物館の所蔵する2台の歴史的フォルテピアノ(ヨハン・アンドレアス・シュタイン[1788]とアントン・ヴァルター[c1790])を使用しています。モーツァルトと直接関係の深かったシュタインとヴァルターのオリジナルのフォルテピアノで録音したことは、演奏した私たちにとっても、たいへん楽しく、しかも貴重な経験でした。
収録曲目
2台のピアノのためのラルゲットとアレグロ 変ホ長調 KV6 deest
(ロバート・レヴィンの補筆に基づく)
2台のピアノのためのアダージョとフーガ ハ短調 KV546/426
ロンド イ短調 KV511(ソロ)
四手連弾のためのソナタ ハ長調 KV521
自動オルガンのためのアダージョとアレグロ ヘ短調(2台ピアノ版) KV594
自動オルガンのためのアンダンテ ヘ長調 KV616
自動オルガンのための幻想曲ヘ短調(2台ピアノ版) KV608
使用楽器
Johann Andreas Stein, Augsburg 1788
[Klavier I (KV546/426, Larghetto u. Allegro), Klavier II (KV594, 608), KV511 u. 521]
Anton Walter, Wien um 1790
[Klavier II (KV546/426, Larghetto u. Allegro), Klavier I (KV594, 608), KV616]
最初の「フォルテピアノ・デュオ」を製作した時は、続編を作るなんて事は夢にも考えませんでした。ですから、「のだめのソナタ」をはじめとして、ベスト・ピースを入れてしまいました。ただ、「ハ長調の連弾ソナタ(KV521)」が収録時間の関係で入れられなかったことだけが、何とも残念でした。
ところが、このディスクが何と「2006年度レコード・アカデミー賞」(器楽曲部門)を頂いてしまったので、そこから続編の可能性を考え始めたのです。
モーツァルトが最晩年に作曲した、自動オルガンの3つの作品を演奏してみると、たいへん素晴らしい音楽で、しかも2台のフォルテピアノで演奏するのにピッタリでした。しかも、これらの作品にはめぼしい録音がほとんどありません。そこで、ニュルンベルクの博物館にある、モーツァルト時代のフォルテピアノの最高の名器、それもモーツァルトゆかりのメーカーたちの楽器で録音しよう、というアイデアが浮かんだ、というわけです。
実際に録音が終わってみると、2台ピアノのためのオリジナル作品である「ハ短調のフーガ」、自動オルガンのための「アダージョとアレグロ」、「ヘ短調の幻想曲」などはヘンデルやバッハの影響を強く受けた作品で、私たちのような「チェンバロ奏者」が手がけるのには最適の曲だったこともあり、かえって前作よりも私たちの演奏の特徴のはっきり出たディスクができ、「レコード芸術」誌でも特選盤になりました。
以下は、この録音ツアーの時の写真です。
(写真の上でクリックすると、写真を拡大して見ることが出来ます。)
ニュルンベルクの町の門の1つ
2007年9月、残暑の日本を後に、ニュルンベルク到着した翌朝のスナップ
(ゲルマン博物館の前で)
録音に使用したシュタインのピアノ(展示室にて)
同じく、録音に使用したヴァルターのピアノ(右側はナネッテ・シュトライヒャー)
博物館で試し弾きをした後は、一路ザルツブルクへ。私のホフマンやシュトライヒャーの修復を手がけたイギリス人のフォルテピアノ製作家ロバート・ブラウン氏が、ザルツブルク近郊に住んでおり、彼の工房でサロン・コンサートをやらせてくれるというのです。
ザルツブルクの「モーツァルトの住家(タンツマイスター・ハウス)」
ミラベル城の庭園で、崎川さんとロバートのスナップ
(映画『サウンド・オブ・ミュージック』の「ドレミの歌」のシーンと同じ場所)
ザルツブルクの川べりで(後方の山上に見えるのが有名なザルツブルク大司教の城)
ロバートが住んでいるのは、ドイツとオーストリアの国境の町オーベルンドルフ
(国境の橋の向こう側に見えるのがオーベルンドルフの町)
ロバートの工房でのサロン・コンサートの後のパーティーで
ニュルンベルクへ戻り、いよいよ明日から録音ということで、練習開始・・・と思いきや
何と! シュタインのピアノには、譜面台がない!!!
近所の日曜大工ショップで、バルサ材、発泡スチロールの板、ボール紙などを買い込み、
大急ぎで譜面台を作りましたが、何とこれがたいへんな「すぐれもの」!!
ニュルンベルクの町の教会の1つ
ニュルンベルクの町で、崎川さんと小島さん(コジマ録音の社長)のスナップ
ゲルマン博物館の中庭(この博物館は、もともとは古い修道院だった)
ニュルンベルク市内の路上に駐まっていたアストンマーティンとジャガー
(映画「007ダイ・アナザー・デイ」とほとんど同じ組み合わせ!!)
こちらがジャガー!
『チェンバロ・フォルテピアノ』第3刷
私の著書『チェンバロ・フォルテピアノ』(東京書籍)の第3刷が、2月13日付で刊行されました。
前回の第2刷(2006年10月)の時は、300ページにわたって手を入れました。特に、ベートーヴェンの章で、ナネッテ・シュトライヒャーに関する項はほとんど書き直しました。その他の部分でも、スカルラッティとピアノ、バッハとピアノ等、ピアノに関係する項目を中心に、内容がかなり変わりました。詳細は、私のホームページをご覧下さい。
今回は、前回ほど大規模な改訂ではありませんが、バッハの章の「バッハ・チェンバロと呼ばれる楽器」の項はかなり大きな手直しをしました。また、C・P・E・バッハと関係の深かったフリーデリーツィのクラヴィコードに関して、パリの博物館で新しく発見された楽器の写真を2枚入れました。この楽器は、「作者不詳のクラヴィコード」として以前から同博物館に所蔵されていたものですが、楽器を細かく調査したところ、内部から、クリスティアン・ゴットフリート・フリーデリーツィの署名が発見されたのです。
それ以外では、シュタインとヴァルターのフォルテピアノの写真を増やしました。
ドメニコ・スカルラッティが仕えたスペイン王妃マリア・バルバラがチェンバロを演奏している絵もあります。
巻末「参考文献と註」のコーナーにも、かなりの量の加筆・修正があります。
それ以外は、字句や誤字の訂正などのマイナー・チェンジです。
My New Disc
モーツァルト:フォルテピアノ・デュオII
このディスクはリリースされてもう半年も経つので、「New Disc」というのもお恥ずかしい限りですが、今のところ、私の最新CDです。
2005年12月にリリースした「モーツァルト:フォルテピアノ・デュオ」(ALCD-1073)の続編で、共演はやはり前回と同じ、崎川晶子さんです。
今回は、ニュルンベルクのゲルマン国立博物館とコジマ録音の共同制作で、同博物館の所蔵する2台の歴史的フォルテピアノ(ヨハン・アンドレアス・シュタイン[1788]とアントン・ヴァルター[c1790])を使用しています。モーツァルトと直接関係の深かったシュタインとヴァルターのオリジナルのフォルテピアノで録音したことは、演奏した私たちにとっても、たいへん楽しく、しかも貴重な経験でした。
収録曲目
2台のピアノのためのラルゲットとアレグロ 変ホ長調 KV6 deest
(ロバート・レヴィンの補筆に基づく)
2台のピアノのためのアダージョとフーガ ハ短調 KV546/426
ロンド イ短調 KV511(ソロ)
四手連弾のためのソナタ ハ長調 KV521
自動オルガンのためのアダージョとアレグロ ヘ短調(2台ピアノ版) KV594
自動オルガンのためのアンダンテ ヘ長調 KV616
自動オルガンのための幻想曲ヘ短調(2台ピアノ版) KV608
使用楽器
Johann Andreas Stein, Augsburg 1788
[Klavier I (KV546/426, Larghetto u. Allegro), Klavier II (KV594, 608), KV511 u. 521]
Anton Walter, Wien um 1790
[Klavier II (KV546/426, Larghetto u. Allegro), Klavier I (KV594, 608), KV616]
最初の「フォルテピアノ・デュオ」を製作した時は、続編を作るなんて事は夢にも考えませんでした。ですから、「のだめのソナタ」をはじめとして、ベスト・ピースを入れてしまいました。ただ、「ハ長調の連弾ソナタ(KV521)」が収録時間の関係で入れられなかったことだけが、何とも残念でした。
ところが、このディスクが何と「2006年度レコード・アカデミー賞」(器楽曲部門)を頂いてしまったので、そこから続編の可能性を考え始めたのです。
モーツァルトが最晩年に作曲した、自動オルガンの3つの作品を演奏してみると、たいへん素晴らしい音楽で、しかも2台のフォルテピアノで演奏するのにピッタリでした。しかも、これらの作品にはめぼしい録音がほとんどありません。そこで、ニュルンベルクの博物館にある、モーツァルト時代のフォルテピアノの最高の名器、それもモーツァルトゆかりのメーカーたちの楽器で録音しよう、というアイデアが浮かんだ、というわけです。
実際に録音が終わってみると、2台ピアノのためのオリジナル作品である「ハ短調のフーガ」、自動オルガンのための「アダージョとアレグロ」、「ヘ短調の幻想曲」などはヘンデルやバッハの影響を強く受けた作品で、私たちのような「チェンバロ奏者」が手がけるのには最適の曲だったこともあり、かえって前作よりも私たちの演奏の特徴のはっきり出たディスクができ、「レコード芸術」誌でも特選盤になりました。
以下は、この録音ツアーの時の写真です。
(写真の上でクリックすると、写真を拡大して見ることが出来ます。)
ニュルンベルクの町の門の1つ
2007年9月、残暑の日本を後に、ニュルンベルク到着した翌朝のスナップ
(ゲルマン博物館の前で)
録音に使用したシュタインのピアノ(展示室にて)
同じく、録音に使用したヴァルターのピアノ(右側はナネッテ・シュトライヒャー)
博物館で試し弾きをした後は、一路ザルツブルクへ。私のホフマンやシュトライヒャーの修復を手がけたイギリス人のフォルテピアノ製作家ロバート・ブラウン氏が、ザルツブルク近郊に住んでおり、彼の工房でサロン・コンサートをやらせてくれるというのです。
ザルツブルクの「モーツァルトの住家(タンツマイスター・ハウス)」
ミラベル城の庭園で、崎川さんとロバートのスナップ
(映画『サウンド・オブ・ミュージック』の「ドレミの歌」のシーンと同じ場所)
ザルツブルクの川べりで(後方の山上に見えるのが有名なザルツブルク大司教の城)
ロバートが住んでいるのは、ドイツとオーストリアの国境の町オーベルンドルフ
(国境の橋の向こう側に見えるのがオーベルンドルフの町)
ロバートの工房でのサロン・コンサートの後のパーティーで
ニュルンベルクへ戻り、いよいよ明日から録音ということで、練習開始・・・と思いきや
何と! シュタインのピアノには、譜面台がない!!!
近所の日曜大工ショップで、バルサ材、発泡スチロールの板、ボール紙などを買い込み、
大急ぎで譜面台を作りましたが、何とこれがたいへんな「すぐれもの」!!
ニュルンベルクの町の教会の1つ
ニュルンベルクの町で、崎川さんと小島さん(コジマ録音の社長)のスナップ
ゲルマン博物館の中庭(この博物館は、もともとは古い修道院だった)
ニュルンベルク市内の路上に駐まっていたアストンマーティンとジャガー
(映画「007ダイ・アナザー・デイ」とほとんど同じ組み合わせ!!)
こちらがジャガー!
by cembalofortepiano
| 2009-04-29 02:45
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