2011年 11月 10日
《ポッペアの戴冠》公演について (その4) |
モンテヴェルディ:オペラ《ポッペアの戴冠》
2011年11月27日(日)14時開演(開場13時30分)
一橋大学兼松講堂(JR国立駅南口徒歩7分)
櫻田智子、高橋織子、阿部雅子、西村有希子、安田祥子(ソプラノ)
布施奈緒子、湯川亜也子、押見朋子(メゾ・ソプラノ)
葛西健治、長尾譲、内之倉勝哉(テノール)
小田川哲也、狩野賢一(バス)・・・・・登場順
オーケストラ:ザ・バロックバンド
ヴィオラ・ダ・ガンバ:平尾雅子
リュート:金子 浩
指揮とチェンバロ:渡邊順生
監修・解説:礒山 雅
演出:舘 亜里紗
音楽アドバイザー:櫻田 亮
前売券:S席=5000円、A席=4000円、学生券1500円
当日券は各500円増し
ご予約・お問合せ:コンセール・プルミエ042-662-6203(月~金 10:00~18:00)
主催:ボランティアチーム「如水コンサート企画」
チケット前売り:
一橋大学生協(西ショップ)、「白十字」南口店、国立楽器国立店、くにたち市民芸術小ホール他、
CNプレイガイド、東京文化会館チケットサービス
国分寺公演(本年5月)舞台写真集
ここのところちょっと忙しく、前回のブログから1週間経ってしまいました。
今日は、前回の《ポッペア》抜粋版の公演(本年5月)の舞台写真を見ながら、少しドラマの内容に分け入ってみましょう。
プロローグ
言い争う2人の女神たち=《幸運》(左:川辺茜)と《美徳》(山崎法子)
《幸運》が《美徳》に向かって、「世界はもう貴女を必要としていない」と侮蔑の言葉を投げ付けると、《美徳》は激しく抗議して、「英雄の魂をオリュンポスの山頂に導くことが出来るのは自分だけだ」と言います。そこに登場した《愛の神》(髙橋幸恵)が、自分の力の優越性を誇示。
《幸運》と《美徳》は引き下がって、「私たちは敢えて《愛の神》を競い合おうとは思わない」と言います。
《愛の神》は、「今日、あなたたちはたった一度の腕比べで僕に打ち負かされ、世界は僕の指図で動くと言うでしょう」と宣言します。
このプロローグの音楽は、全編の中でも最も優れたものの1つ。『初めよければ全てよし』というのは、あらゆる優れた音楽に共通する真理です。なお、この場面の出演者のチームは今回の国立公演では全員交替し、3人の神々を、それぞれ、櫻田智子、高橋織子、布施奈緒子が歌います。
第1幕
明け方、任地から帰還した将軍オットーネ(湯川亜也子)は、愛するポッペアへの思慕の念を歌い上げます。
このオペラの台本のもとになったローマ時代の著作『年代記』(タキトゥス作)では、ポッペアがオットーネの妻であることが明記されていますが、オペラの台本ではその辺りがぼかされています。おそらく、ストーリーの不道徳性を和らげる目的からでしょう。以前にご紹介した「あらすじ」で、「妻(恋人という説もある)」としたのはそのためです。
第3場=ネローネ(内之倉勝哉)とポッペア(阿部雅子)の愛の二重唱(須坂公演より)
一夜を共にした2人の衣ぎぬの別れの場面
第5場=皇妃オッタヴィア(高橋織子)の独白の場面
一夜をまんじりともせずに明かした皇后オッタヴィアは、激しい怒りと悲しみの中で、夫を呪い、神を呪います。
オッタヴィアにとっての唯一の頼りは哲学者のセネカ(狩野賢一)です。
第8場
セネカの傍らに降り立った女神パッラデ(大武彩子)は、セネカの死を予告します。
今回の公演では、セネカとパッラデは小田川哲也と西村有希子に交替。
第9場
パッラデの予言に勇躍、セネカはそれまでの傍観者的態度を棄てようと決心。そこへネローネがやってきて、オッタヴィアとの離婚とポッペアとの結婚に対し、セネカの同意をとりつけようと試みますが、それに対してセネカは強い調子で反対します。
第10場
再びネローネとポッペアの二重唱
ポッペアはネローネの耳に、セネカについてあることないことをまことしやかに吹き込み、ネローネを怒らせます。ネローネは解放奴隷(護衛隊長)を読んで、セネカに自死の命令を伝えるように命じます。
第13場
ポッペアに棄てられたオットーネは、彼を恋い慕うドゥルジッラ(安田祥子)に乗り換えます。
-つづく-
by cembalofortepiano
| 2011-11-10 15:20
| コンサート